ガソリンは必要なし?水で走る究極のエコカー

3727b8c29acc5c6f7589aebfa6811039_s高度経済成長が起こり、家電やクルマが一般家庭にも浸透してきた1970年代。
ただしこの頃のクルマはまだまだ高級品で、世帯あたりの普及率は20%ほど。しかしそんな時期から、ガソリン(石油)はあと30年で枯渇すると言われてきました。

30年経過した現在も石油は枯渇していませんが、その理由は掘削技術が進み、より深い場所まで掘ることができるようになったため。だからといって無尽蔵に湧き出るわけでなく、約150年で枯渇するのではと言われているのです。

150年と聞くと少々安心してしまいますが、子どもや孫の世代が困るだけでなく、手に入りにくくなり高騰することは容易に考えられます。そのため、ハイブリッドカーや電気の力のみで走行するフルEV車といった”エコカー”が開発されるようになりました。
既に街中でも頻繁に見かけるようになったエコカーですが、これからは究極のエコカーと言われる”空気アルミニウム電池自動車”を、街で見かけるようになるかもしれません。

f5fbaf224bcd0835ba3f4be1dd691cbc_s空気と水を使用する”空気アルミニウム電池”の原理は古くから知られていましたが、コストや駆動時間の問題などがあり、なかなか実用化されることはありませんでした。

しかし近年この分野の研究が進み、ガソリンタンクに水を入れるだけで1600km(理論上)もの走行が可能なクルマが開発されたとのこと。通勤程度の移動であれば、2ヶ月ほど給水することなく走ることができるというから驚きではないでしょうか。

実用化も目の前まできており、普及すれば従来のガソリン車と同程度の価格まで抑えることができるのだそう。
また電極に用いられるアルミは、一度化学反応を起こすと電極として使用できなくなりますが、この部分をほぼ100%再利用して使えるような技術も確立。リサイクル性が高く水さえあれば走るところが、究極と呼ばれる所以。
しかも水と空気だけで走るということは、自動車排出ガスによる大気汚染物質をストップできるようになるのです。

ec7b23f9ea3b520879c989f816886f58_sまた、病院などで使用される非常用電源の燃料にはLPガスなどが使用されていましたが、この技術を利用すればガスを備蓄する必要はなし。
ウォーターサーバーのストック水のように水を普段から備蓄するだけで、もしもの際の電源として利用することができるようになる可能性もあるのです。

普段の飲み水が、非常用電源に変わる。そんな夢のような技術の実用化はまだ少し先の模様ですが、これからの動向が楽しみですね。