みずみずしい肌を保つ救世主?セルロースナノファイバーとは?

DPP_0032どれだけ保湿ケアを行っていても、すぐにお肌が乾くこの季節。
化粧品も日々進化しており、グリセリンといった従来のベーシックな保
湿剤だけでなく、肌のバリア機能と保湿機能を支える「セラミド」や、弾力肌を引き出す「ヒアルロン酸」といった成分も当たり前に配合されるように。
さらにはこれらの成分をナノ化したり特殊なカプセルに閉じ込めることによって、より肌の奥深くまで届くような工夫が施された化粧品も多数販売されています。

シワや毛穴対策にもなるとなって、女性にとって「保湿」は化粧品の重要キーワードですよね。
そんな保湿の常識を変える新たな成分「セルロースナノファイバー」が今年注目されているのをご存知でしょうか?

セルロースナノファイバーと呼ばれる素材はパルプ(木材の繊維)から取り出されたもので、その大きさは3ナノメートル前後。
原料がパルプのため非常に軽いのですが、鉄よりも強いといった特性があるため、将来的にはコンピューターや車の部品にも使用されることが予想されています。IMG_88771
しかもパルプの原料である木材は、資源の少ない日本でも豊富に取れるため、普及が早いとの見解も。近い将来、壊れにくく超軽量なモバイル機器や車が登場しそうです。

このように聞くと、一見化粧品とは関係がないと思うかもしれませんが、単に軽くて強いだけでないのがセルロースナノファイバーの魅力。
”チキソトロピック”といった特性が、化粧品業界で注目を浴びているのです。

チキソトロピックとは日本語では”揺変性”と直訳され、負荷をかけると変形するものの、負荷がなくなると元に戻るといった働きのことをいいます。
セルロースナノファイバーの場合、負荷のかかっていない通常時は固めのゲル状なのですが、振るなどの負荷をかけるとさらさらの液体に。
そして振ることをやめると、固いゲル状に戻るのです。

bsASE_061そのため化粧品にセルロースナノファイバーを配合すると、
「ゲル状の化粧品の入ったボトルを振って液体に→顔に液体をスプレー→肌の上でナノ化したゲル状化粧水が密着」
といったことが可能になり、乳液のように顔全体を保湿するマスク型化粧水が出来上がるのです。
また、水分中で他の成分をきれいに混ざり合うといった特性もあるため、常に安定した化粧品をお肌につけることも可能に。
まさに夢の素材なのです。

軽い・強い・変化するといった非常にたくさんの特性があるため、多くの分野で実用化への研究がすすめられているのですが、なかでも化粧品への導入が一番早いのではといわれています。
もしかすると今年中にはセルロースナノファイバー入りの化粧水が販売されるかもしれないとのこと。
どのようなテクスチャーなのか、早く試してみたいですね。