おいしいフランスパンの秘密は硬水?イースト菌と水の関係

6915c81bdba412707b6eee1a5f77534f_s「欲しい家電ランキング」にて近年注目を浴びている商品といえば、豆からドリップできる高性能コーヒーメーカーやお掃除ロボット。
そして第3次ブームが到来したと言われているホームベーカリーも、常にランキング上位に食い込む人気家電となっています。

ほんの少し前までホームベーカリーといえば、お菓子やパン作りが好きな方が持っている”珍しい家電”というイメージで、2000年代初頭の普及率はといえば10%以下。
しかし、小麦粉の代わりに生米でパンが焼ける「ライスブレッドクッカー」が爆発的に人気を博したことで、ホームベーカリーはオーブンや炊飯器と同じく身近な家電のひとつに。小麦粉アレルギーに対応できることや、焼きたてのパンを毎朝楽しめるというちょっとした贅沢感も相まって、いまや所有率は20%を超えています。

そんな右肩上がりの普及率を誇るホームベーカリーですが、自宅でのパン作りにおいて美味しさを左右するのが実はお水選び。ついつい小麦粉の産地や種類、そしてバターの味わいばかりに気を取られてしまいますが、これら主原料が持つ力を存分に発揮できるかどうかは、お水にかかっているのです。

41ed236837ccf8531b19b3bac5a0e672_s小麦粉に水を加えて捏ねることでグルテンが発生しますが、このグルテンの膜がパン生地をきれいに膨らませる際の重要なポイント。
パン作りに適したお水は、pH7程度の中硬水と言われていますが、その理由はアルカリ性のお水を使用すると発酵が上手くいかずパン生地は膨らまないため。反対に酸性のお水を使用すると、しっかり小麦粉を捏ねたとしてもグルテンが溶けてしまうため、発酵が遅くボソボソとした食感のパンとなってしまうのです。

ちなみにパリッとした堅い皮を味わう、本場フランスと同じようなバゲットを提供するブーランジェリーでは超硬水を使用していますが、その理由はフランスパン専用の小麦粉に日本の軟水を使用するとふにゃふにゃとした生地になってしまうため。軟水でパン生地をこねると柔らかくダレやすくなるため、堅さが魅力のバゲットには適していないのです。

16c55cd4dc385cb6cd6e8bcf38b80fb9_sこのように、水の性質によって食感や味が大きく変わってしまうのが、パン作りが面白くも難しいところ。
もし水道水を使用するのであれば、レシピの分量よりも食塩を増やして少量の酢を添加すると、発酵が進みやすい良質なパン生地に。
超軟水でアルカリ性のお水であるハワイウォーターを使ってパン作りを楽しむのであれば、水道水同様の対策を施すのがおすすめです。