夏の風物詩”オルゾー”でカフェタイム

b069529a45b40305197d8ca9a060bcdd_s大手コーヒーショップでも少し前からメニューとして登場している”オルゾー”という飲み物を聞いたことはありますか?

オルゾーはイタリア語で”大麦”という意味で、日本でいうところの麦茶のようなもの。
オルゾーティーなどとも呼ばれるため「お茶かな?」と思うかもしれませんが、大麦を時間をかけてじっくり濃い茶色になるまで煎ったオルゾーの味は、かなりコーヒーに近いものです。

そもそもヨーロッパでは第二次世界大戦が終わるまでコーヒー豆は手に入りにくい状態だったため、イタリアの一般市民はエスプレッソではなくオルゾーを飲んでいたとのこと。イタリアのカフェメニューと聞くとエスプレッソが一番に思い出されますが、オルゾーはイタリアではエスプレッソよりも身近なカフェドリンク。オルゾーの苦味を好むイタリア人が、似たような味のエスプレッソを好んだということでしょうか。

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そんなオルゾーですが、アミノ酸や食物繊維が豊富で栄養価が非常に高いことから、コーヒーの代用というよりも健康飲料として世代を問わず親しまれています。
日本の麦茶もミネラルなどの栄養素が含まれる健康飲料ではありますが、日本の大麦とイタリアの大麦は品種が異なるだけでなく、焙煎方法も違います。
そのため、オルゾーに含まれるアミノ酸や食物繊維といった栄養分は麦茶よりもはるかに高く、しかもオルゾーの場合は水分にそのまま成分が溶け出すため、飲料にしても栄養価がほとんど変わらないのです。

ですから、オルゾーと麦茶は似て非なるものではあるのですが、大麦といった原材料はほぼ同じ。つまり、イタリア版コーヒー味の麦茶であるオルゾーを、実は日本の麦茶でも作ることができるのです。

81331ff7add9b7d1cbf6d149224d3402_s作り方は、コーヒーの煎れ方と全く同じで、ドリッパーやコーヒーメーカーにフィルターをセット。そこに麦茶のティーパックの中身を1袋入れ、100ml程度のお湯で濃い目に煎れるだけと、とっても簡単。
コーヒー豆を麦茶に変えるだけで、妊婦さんなどコーヒー好きでもカフェインを控えなくてはならない方にもぴったりの飲み物に大変身するのです。

イタリアではストレート(ブラック)でも飲まれるようですが、ミルクやシロップを入れてラテ風に飲む方が日本人の口に合うようなので、まずはラテで楽しんでみることをおすすめします。
オルゾーはまだまだ一般的ではありませんが、ノンカフェインで栄養価が高く味もコーヒーそっくり。もしかすると数年後、コーヒーショップにオルゾーが当たり前のように並ぶ日がくるかもしれませんね。