1260年以上続く歴史的行事 東大寺のお水取りに行こう

nigatudou2奈良東大寺で752年から始まった「お水取り」という伝統行事をご存じでしょうか。
観音様にお供えするお水を井戸から汲み上げるためのお水取り行列が成される、東大寺二月堂の一大イベントです。

実はこのお水取り行列の道明りとして灯されるものが松明(たいまつ)。
お水取りは知らずとも、光と闇が繰り広げる圧巻の「東大寺の籠松明」なら、聞いたことがあるのではないでしょうか。

毎年3月1日から2週間、東大寺では「修二会(しゅにえ)」と呼ばれる行事が行われるのですが、そのなかの一つとして行われるものがお水取り。
現在では本行は3月から始まりますが、昔は旧正月の始まりである2月から行われていたため、修”二”会・”二”月堂と、二の付く名前が残っているのです。
二月堂本尊に懺悔を行い、国民の健康・国家の安泰を願うために行われる非常に由緒正しき行事であることからも、旧正月の除夜の鐘とも言うべき行事ではないでしょうか。

taimatuこの行事、歴史のなかで寺院が修復を余儀なくさせられた時であっても、一度たりとも欠かすことなく受け継がれてきたものであり、2014年度はなんと1261回目。
そんな修二会の中でもお水取りは要となる行事であり、3月12日の夜~13日深夜にかけて行われます。

1日から13日にかけて毎日行われる松明(たいまつ)も、冬の闇夜を彩る見どころの一つですが、なかでも13日にあがる大迫力の籠松明を観ようと、12日~13日は東大寺では入場規制がかかるほど。
最近では各旅行会社が「修二会ツアー」も開催しており、その人気ぶりが伺えます。

ただ、今年の12日は残念ながら平日。
遠方から赴くのは難しいと考る方も多いでしょうが、お水取りや籠松明が行われる本番でなくとも、修二会には見どころが沢山あります。
東大寺へ観光に訪れたことのある方も、普段とは違う顔の東大寺を覗くことのできるため、是非とも3月の奈良へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

omizutori本番は有名神社の初詣並みに混み合うため、事前準備が重要。
気温もマイナス3度~5度まで冷え込むため、暖かい格好はもちろんのこと、良い場所で観たいのであれば、最低でも本番2時間前より場所取りが必要になります。
ビニールシートを持参される方もいますので、お花見の要領で準備をして向かいましょう。

その他にも、カイロや水分補給のための水筒・ペットボトルは必須。
一度二月堂の近くまで来てしまうと、お水取りが終了するまでほぼ動けないと考えておいた方が良いです。

このように見学するだけでも大変な行事ですが、それだけ人々の興味を惹く行事でもあります。
無病息災を願う松明の火の粉を浴びながら、歴史的行事を体感するひと時。
奈良への小旅行を計画してみてはいかがでしょうか。