30年後の海はゴミだらけ?海洋プラスチック問題とは

34ae1d459335583f3927be273f3d3f68_s新聞やニュースなどで「ダボス会議」という名を耳にしたことはあるでしょうか。
ダボス会議とは、スイスのジュネーブに本拠地を置く非営利財団「世界経済フォーラム」が毎年1月に開催する年次総会で、約2500名の知識人・経営者・政治指導者といったトップリーダーが一堂に会すもの。
健康や環境など、世界での重要な問題について議論する場となっています。

そのダボス会議にて今年発表されたものが、
「2050年までに、海のプラスチックゴミが魚の量を上回る」
という衝撃的なデータ。近い将来、ピュアハワイアンウォーターの源でもある美しい海がゴミ捨て場と化す前に、私たちができることを今一度考えてみませんか。

大手コーヒーチェーンやファストフード店などがプラスチック製ストローの廃止を行うなど、昨年より注目されているプラごみ問題。関心度がグッと高まったきっかけは、『鼻にストローが刺さったウミガメが発見された』というセンセーショナルなニュースですが、ウミガメだけでなく大量のレジ袋を飲み込んだクジラが発見されるなど、ゴミを誤飲して死亡する海洋生物は後を絶ちません。
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日本でも先日『レジ袋全国一律有料化』が法制化されることとなりましたが、アフリカ各国をはじめ、オーストラリア・バングラデシュ・ブータンといった多くの国では既に数年前よりレジ袋の使用が禁止に。
またEUではストローなど使い捨てプラスチックの使用を規制する法案が可決されるなど、待ったなしの海洋汚染への対策が急ピッチで進められているのです。

そんななか世界で注目を浴びているものが、日本のベンチャー企業やデザイングループが開発した、石灰石や寒天を主原料とする新素材。プラスチックの代替品でありながら土に返るサスティナブルな素材であり、何より身近なものが主原料というところも大きなポイントです。
なかでも寒天は年々消費量が減少しているため、製造業者自体も元気がありません。ですが、将来的にこの新素材がプラスチックの代替品として世界的に普及すれば、日本の製造業が息を吹き返すことにも繋がるのです。

907df7ac0533ec17e626216b1726d56a_sこのように国や企業がプラごみ問題に取り組み始めているものの、何より大切なのは私たち個人の意識改革です。
現在、1人が1日に出す家庭ゴミの量は約900g。毎日これだけの量のゴミが捨てられているのですから、家庭ゴミが”リデュース・リユース・リサイクル”されるだけでも、かなり環境は変わっていくはずです。

私たちが出したゴミは流れ流れて海へと辿り着き、そして私たちが口にする飲み水へと変わります。個人ができることは少ないかもしれませんが、30年後もウミガメが泳ぐ美しい海であるためにも、まずは身近なことから始めてみませんか。