東京五輪に向けて加速?ベジタリアン向けサービス

公共交通の新駅誕生に再開発と、2020年のオリンピックに向けて着々と街の整備が行われていますが、今問題となっているのが日本の“外食事情”。

外食産業が日本ほど発達していないヨーロッパなどは、ファストフードに近いようなお店でも、日本の高級レストラン並みの値段であることは多々あります。
反面、日本ではワンコインでランチが楽しめるなど、外食産業はとにかく盛ん。和・洋・中どれにしようか迷うほど、街中にはお店が林立しているのです。

しかしながら、訪日ツーリストが実際に日本を訪れて頭を悩ませているのが、滞在中の食問題。

最近ではアレルギーの問題もあり、大手チェーン店などではカロリーに加えアレルギー食材の表示も行われるようになりましたが、ベジタリアン対応のメニューを提供するレストランはまだわずか。
成田空港にはベジメニューを提供するレストランはわずかながら存在するものの、東京駅や羽田空港といった国内の玄関口にさえ、ベジタリアンが食べられるメニューが置いていないというのが現状です。

そもそも日本人は、葬儀は仏式ながらもクリスマスやハロウィンを祝うなど、様々な宗教観を取り入れて文化が発展。
日本式にアレンジした世界各国の料理が手軽に外食で食べられるのも、このような日本独特の“取り入れる文化”に通じることです。

しかしながらベジタリアンや宗教的な食事制約を行っている方が少ない日本では、このような独特な文化も相まってか、ベジタリアン対応のレストランの普及が遅れています。

また、ベジタリアンが身近に少ないからこそ、植物性食品しか食さない厳格な“ビーガン”から、魚・卵・乳製品は食べる“ペスコ・ベジタリアン”まで様々な種類のベジタリアンが存在することすら、まだまだ認知されていないのも現状です。

海外ではベジタリアンOKの料理にはメニューに「V」と記載されるなど、ベジタリアンでも外食を気軽に楽しむことができます。
なかでもフランスやインドなどベジタリアンの多い国では、地方の小さなレストランでもこのVマークを見かけるのは当たり前なのです。

東京オリンピックの際は、東京観光だけならずそのまま地方へと足を運ぶ海外ツーリストも多くいると考えられます。

これから都心を中心にベジ対応のメニューを提供するレストランは増えていくと考えられますが、目下の課題は地方のレストラン。
今あるメニューを少しアレンジしたベジ対応メニューを提供すれば、よりよい“おもてなし”ができるのではないでしょうか。