干し野菜のチカラ

厚生省が推奨している成人の1日のヤサイ1野菜摂取量、350g。
健康維持のためにも、野菜摂取が欠かせないことは周知の事実です。
ですが、これだけの量を毎日食べるのはなかなか難しいのが現実。

野菜は干すことで、野菜の水分がなくなり、小さく縮みます。
そして、野菜を“干す”というひと手間でうま味も凝縮されて、甘味を強く感じるようになり、いっそうおいしく食べられます。
野菜が苦手なお子さんやご家族にも喜ばれることうけ合いです。
野菜のニオイが苦手という方も、特有の青臭さがなくなるので食べやすくなります。

天日のチカラで野菜の栄養素も断然UPするんです。
代表的な食材でダイコンを例にあげてみましょう。
皮を剥いたダイコン(生)100gに比べ、干しダイコン100gの栄養素は、たくぱく質は14倍、食物繊維15倍、カルシウムは23倍にも。驚きの数値です。

そして干し野菜は火の通りが早く、調理時間の短縮にも。光熱費の節約にも繋がり嬉しいことばかりです。
冷蔵庫保存をするのもの少スペースですみます。
色々な種類の干し野菜を少しずつ作って冷蔵庫に保存しておけば、種類豊富な野菜を使った料理になります。

ダイエット中の方には干し野菜でヤサイチップスがお勧めです。
食べる直前に干し野菜に塩を軽くふって、揚げずにオーブンやオーブントースターで少し焼くと、気になるカロリーもおさえられてダイエット中でも安心。
干し野菜は歯ごたえがあって噛みごたえもしっかりしています。
自然に咀嚼回数が増えて、満腹中枢も刺激されるので食事以外にも少し小腹が空いた時に食べるのにもピッタリです。

ほとんどの野菜で干し野菜を作ることが出来ますが、レタスともやしは水分量が多く不向き。その他の野菜は何でも作れます。

干し野菜をつくる時は皮はむきません。皮と実の間は栄養分が豊富に含まれているので、野菜を良く洗って皮はつけたままにします。

切り方は野菜によって野菜天日干し食べ方によってお好みで。包丁で半月切りやイチョウ切り、短冊切り、乱切りにしたり、ピーラーで薄くスライスしても使い勝手が良いです。
ヤサイチップス用には大きめに切ると食べ応えがあります。

切った野菜はザルや干しかごなどに重ならないように広げます。
日差しが長時間当たる、風通しの良い所に干しましょう。
干し時間は繊維の多い野菜は3時間程度、その他は6時間以上干します。
特に日差しの強い午前中から午後の時間帯が最適。ドライトマトを作る場合は3日くらい干すとしっかり乾きます。

1日で干しきれなかった場合は、夜はビニール袋やタッパーに入れて冷蔵庫へ。
また翌日干します。
できた干し野菜は冷蔵庫で保存。タッパーやチャック付きの袋に入れて保存しましょう。

自然の恵みをひと手間でもっとおいしく!
色々な干し野菜を作ってみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見が待っています。